☆ ホルモン補充療法 ☆
更年期治療法としてホルモン補充療法(HRT)というのがある。
更年期は女性ホルモンが急激にバランスを崩し、閉経へ向かう。その結果、総合病院の診療科目の全部を網羅するほど、さまざまな症状が出てくる。しかも障害の程度は人によってさまざまである。
そこで、女性ホルモンである
・卵胞ホルモン(エストロゲン)
・黄体ホルモン(プロゲステロン)
を服用して、ホルモンバランスをたて直してさまざまな障害を緩和させようというのがHRTである。この療法のいい点は、
・更年期症状が改善される。
・骨租しょう症の予防になる。
・ コレステロールを低下させて動脈硬化の予防になる。
・ 性交障害を緩和させる。
・ ある種の尿失禁に効く。
・ アルツハイマーの予防になるらしい。
しかし、いいことばかりではない。
・ 子宮筋腫がある人
・ 乳腺炎になったことのある人
こういう場合は使えない。
また、血栓性疾患、肝機能障害、エストロゲン依存性の悪性腫瘍は絶対に使ってはいけないとされている。
運良くHRT療法が使える場合でも、副作用がある。
またホルモン療法を受けている間は定期的に血液検査など、細かいチェックが必要とされている。
私の場合、子宮体部癌というホルモン依存性の悪性腫瘍だったので、この療法は使えない。
しかし、閉経の時期と癌に進行した時期重なっていたらしく、術後の更年期障害はほとんどない。それまでは、夏、気温が急に高くなった日の朝は午前十時ごろまで胸が苦しいということがあったが、術後はこの症状は消えた。
私よりもっと重い心臓の状態になる人もいて、こういう人はホルモンを補充するとピタリと症状が治まる。しかし、この場合も慎重に禁忌がないかを調べる必要がある。
知り合いの奥さんで、HRT療法を受けている人がいる。オヤと思うくらい、表情が生き生きとして、ご本人もイライラしなくなったと喜んでいる。でも、数ヶ月に一度の血液検査や他の検査は欠かせない。
更年期は人によって長さも症状の程度も違うから、本人がこの時期をどう生きるかをまず考えてから、医師や病院を選ばなくてはならないだろう。必ずしもいいことばかりではない。リスクもあるから、よく説明を聞き、本当に納得した上で検査を受けるべきである。
Quality of Life という考え方は、単に楽しく、有意義な人生だけを言うのではなく、リスクやしなくてはならないことも含めての考え方であることを忘れてはならない。あなたの人生だから。。。